営業編

(営業向け)買から成約する5つのポイント

ポイントは5つ!

①初回の第一印象に最も力を注ぐ
②1回の案内で1提案を考える
③案内の下見は絶対に怠らない
④自分ひとりに絞らせるには
⑤クロージングは何気ない時に行う

不動産仲介業をやられている方なら分かると思いますが、買から成約するのって、数字が読みづらいですよね。
その中で、少しでも確度を上げるための方法をご紹介します。

エンドユーザーは担当者ではなく、物件ありきで問い合わせます。
『〇〇社の▲▲さんにお願いしよう!』と言って問い合わせる人はいません。
「お客様は物件しか見ていない」、これが前提です。


営業側の立場になるとここが結構ぼやけるんですが、キッパリとわきまえましょう。
お客様にとって、「営業マンが誰であるかは重要度が低い」のです。

ここに「買営業」の難しさがあります。
それでは、その確度をどのように高めるのか、ということを考えていきましょう。

①初回の第一印象に最も力を注ぐ

買の確度をあげるには、物件ではなく、自分に付いてきてもらわなければなりません。
そのためには、第一印象はとても重要です。
人も物件も、第一印象でほぼ決まってしまう、位に思った方が良いでしょう。

・まず笑顔
・清潔感のある見た目
・声のトーン
・言葉遣いとマナー

皆さんが軽視しがちな項目です。
営業は「スキル」とか「話術」のようなものが重要なのではありません。
【第一印象】と【事前準備】が大切なのです。

第一印象を良くすることは誰でもできます。
皆さんがイメージする絵にかいたような「清潔営業マン」、これをやりましょう。
『自分は〇〇は向いてないから』『自分のキャラと合わない』とか思わないように。
大抵の人なら努力や考え方を変えるだけで実行できるはずです。

②1回の案内で1提案を考える

大切なのはニーズヒアリングです。
そして、ヒアリングをしたうえで、何かを提案することが大事です。
「1回の案内(商談)で何か1つ提案できることを考える」と意識すれば、自然とお客様の話に耳を傾けるようになります。
お客様本位でものごとを考えないと、良い提案ができないからです。

ヒアリングはお客様のニーズを把握するためだけではありません。
というのも、こちらから投げかけることによって、お客様自身も考えて話をしますよね。
お客様は自ら話をすることで考えを整理し、より決断しやすいように頭をクリアにしていくのです。

なので、こちらから何かを提案することは重要です。
お客様に無かった視点からの考えを、プロの視点で様々な角度から投げてあげることによって、お客様の思考も固まっていくのです。

1回1提案」です。実践してみましょう。

③案内の下見は絶対に怠らない

これも怠る人が多いです。
「自分が何度も行ったことのあるマンション」ならまだ分かりますが、初めての物件は必ず事前に行くべきです。

今はGoogleで外観が見れますので、何となく行った気になれますが、それでも現地に行かないと分からないことが多いはずです。
下見をすれば、案内時のことばの説得力が増します。
お客様のタイプに合わせて戦略が立てられます。
案内の順番や道順、見せ方を考えることができます。

お客様が物件を決めるときに、大きなウェイトを占めるのが「第一印象」です。
その第一印象を良くするためには、「見せる前にいかに印象を良くするか」が大事です。
そのために、本命前に当て物件(引き立て役)を見せるのがセオリーとなっています。
当て物件を見せた後の方が、第一印象が良いですよね。

事前に下見をしておけば、「どっちの道から入っていった方が良いか」、「どの道が混まずに行けるか」、「意外に本命が良くなかったから、こっちに振り返れるようにしておこう」とか色々と作戦を練れるわけです。

先ほど【第一印象】と【事前準備】が大事だと言いましたが、下見は最も重要な【事前準備】にあたります。忙しくても、優先的に下見は行いましょう。

④自分ひとりに絞らせるには

・レインズの説明をする。
・住宅ローンの事前審査を通す。

お客様は「レインズ」を知りません。
なので、実際の画面を見せてあげて、自分だけですべての物件を紹介できることを説明してあげましょう。
窓口を1本化した方が、お客様にとってもメリットです。

もちろん、それをする前に自己の能力開示を忘れてはいけません。
お客様に『この人に任せておけば安心』と思ってもらわなければなりません。
なので、「物件やエリアの情報に詳しい」、「不動産や住宅ローンの知識が豊富」「誠実で対応が早い」など、『自分に任せておけば大丈夫だ』ということを感じ取ってもらわなければなりません。
お客様は、本当に頼れるのかどうか分からない担当者には任せません。

住宅ローンの事前審査を通してしまうことも一つの方法です。
お客様には、物件が決まっていない段階でも、事前審査を一つ通しておいた方が良いメリットを伝え、自分が窓口となって住宅ローンの事前審査を通してあげましょう。
これはお客様と連絡する機会を増やすためのフックとなります。

⑤クロージングは何気ないときに行う

物件を買うか買うまいか悩んでいるときに、営業がクロージングのトークをしても、お客様は身構えてしまいます。
お客様の決断を促すひとことは、何気ない会話の中に散りばめて、予め伝えておくことが重要です。

「買付は重なってしまうことが多い」「良いと思う物件は皆良いと思うから、早く決断しないと買えない」「この物件は他に検討している人がいるから早くした方が良い」など、あおりのトークはクロージングの場面でいきなり言うと、『買わせたいから急がせている』と捉えられてしまいますし、事前に伝えておけば、いざという場面でお客様の腹に落ち易いのです。

クロージング時に説得力を持たせるには、事前にお客様に対し、そこに繋がる情報を伝えておき、理解しやすい状態を整え、一貫性を持たせることが重要です。
「あとは背中を押すだけ」のタイミングでことばに力を持たせるためには、それまでの積み重ねがものを言うのです。

ゴールを見据えたうえで、お客様と会話することを、常に心掛けましょう。

まとめ

・いかに自分を専属としてもらうか
・クロージングは事前準備が重要

この2点に集約されると思います。
決して小手先の営業テクニックやトークではない、ということがお分かりいただけましたでしょうか。
むしろ、そういったものはそこまで重要ではありません。

「営業スキル」というよりは、どちらかというと「コミュニケーション力」の方が重要です。
「話す力」よりも「聞く力」です。
「お客様に良く思ってもらうためにはどうするか」、「お客様のためになるにはどうするか」といった目線でものごとを考えましょう。

不動産は高額ですから、お客様は目上で経験豊富な方が多いでしょう。
浅はかな考えはすべて見透かされると思ってください。
お客様は口には出しませんが、こちらの浅はかな考えや、自分都合の話は、営業側が思っているよりも感じ取っています。

これらを実践するにはそれなりに時間と労力がかかります。
ただ、間違いなく成約確度は上がり、自己の成長にも繋がります。
「目先優先」よりも「急がば回れ」です。
ウサギとカメ、みんなが知っている話です。

営業に対する考え方として、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

ではまた。