購入編

リノベーション物件は損?

リノベーション物件とは

「リノベーション」とは、要はリフォームされた物件のことです。
「リノベーション」と「リフォーム」は厳密には違うようですが、ことばの定義は曖昧で、ちょっとしたリフォームを施しただけの物件でも「リノベーション物件」と謳われているのが現状です。
ここでは特に区別せず、単に「リノベ物件」と呼ぶことにします。

リノベ物件は、不動産業者が物件を購入し、改装したものを商品として販売しているものです。
なので、ほとんどのケースで売主は個人ではなく、不動産業者です。

当然、事業として行っているので、そこには不動産業者の利益が含まれます。
おおむね物件価格の10~12%程度が目安です。
『不動産業者が安く仕入れ、改装工事を行い、利益を乗せて販売している商品』ということになります。

原価はいくら?

では、自分でリノベーションを行った場合はいくらくらいかかるのでしょうか。
例えば、以下、70㎡・3LDKのマンション一室の場合です。

・クロス張替:80万円
・フローリング張替:120万円
・キッチン:120万円
・ユニットバス:150万円
・トイレ:20万円
・洗面化粧台:20万円
・畳表替え:5万円
・ハウスクリーニング:10万円
【合計:525万円】

例えば、フローリングは無垢材で2倍以上するものもあります。
また、フロアタイルという素材を使えば半分程度で済みます。
配管ごと替えたり、間取り変更を行えば更に費用がかかる場合があります。

なお、不動産業者の仕入れ時と売却時には経費がかかります。
仲介手数料、登記費用、不動産取得税、利息、などです。
詳細な計算は割愛しますが、おおむね10%程度です。

なので、5,000万円の物件が販売されていた場合、

売上:5,000万円
リフォーム費:▲500万円
利益:▲500万円
経費:▲500万円
【仕入れ:3,500万円】

ざっくりこんな感じです。
このうち、利益と経費はエンドユーザーに還元されない項目です。
つまり、今回のケースの場合
『エンドユーザー購入時には、約1,000万円上乗せされている』
ということになります。

メリット・デメリット

<メリット>
・保証がある。
・リフォームする手間が省ける。
・税制の優遇がある場合がある。

不動産業者が売主の場合、2年間の契約不適合責任を負います。
2年間、物件に不具合があった場合、売主は修復をしなければなりません。


不動産売買契約標準約款では、個人が売主の場合は「3カ月」、更に給排水設備等に限定されています。
不動産業者が売主の場合は、2年間で特に箇所も限定されていません。
また、業者によってはアフターサービス規準を定め、設備ごとに保証期間を設定しています。購入時にはアフターサービス規準を確認してみましょう。

また、不動産業者の買取再販物件(リノベ物件)の場合、税制の優遇がある場合があります。
具体的には、通常の中古住宅に対する住宅ローン控除期間や限度が拡充されます。
ただし、「何をもって買取再販物件なのか」について明確になっていない点は要注意です。「ただクロスを張り替えただけ」のリフォームはこれには該当しません。
適用可否については、ちゃんと事前に確認をしておきましょう。

<デメリット>
・割高である。
・自分の思い通りのリフォームとは限らない。
・前の所有者の話が聞けない。

前述のとおり、割高です。
不動産業者の仕入れ・売却経費や利益が乗っているので当然ですね。
したがって、自分で傷んだ部屋を購入して、リフォームした方が、割安に購入できる場合が多いと思います。

ただし、それにはリフォーム業者の選定も必要ですし、工事の申請・工事期間など、時間もかかります。
ちゃんと勉強しないと、逆に割高にもなりかねませんので注意が必要です。

また、住んでいた所有者と顔を合わせないので、「マンションの管理組合がどうか」「お隣の方はどんな方か」「トラブルなどないか」など、詳しい話を聞くことができません。

まとめ

結論は、『リノベーション物件を買うのは勿体無い』です。

もちろん、リノベ物件には保証などのメリットもありますが、マンションの場合の故障・不具合は、たとえ何か起こったとしてもそんなに大きいものではありません。
(戸建の場合は別ですが、2年の保証は短すぎます。購入前にインスペクションなどでご自身で調査すべきです。)

しかし、「室内が傷んだ割安な物件」は市場にそう多くはありません。
なぜなら、売却相談を受けた不動産仲介会社が、『部屋が傷んでいると売れないので業者買取にしましょう』と誘導するため、市場に出る前に不動産業者に売却してしまうケースが多いためです。

かといって、不動産会社に「室内が傷んだ割安な物件」をお願いしても出てきません。
なぜなら、不動産仲介会社は不動産業者に売却した方が「手間がかからずラクだから」「再販時も仲介手数料を貰える」といった大きいメリットがあるからです。

そうすると地道に探すしかありません。
「室内が傷んだ物件」は必ずあるはずです。
そういった物件に、内覧したうえで指値(値引き交渉)を入れてみましょう。
売主も売れずに困っていることが多いので、うまくいく可能性は十分にあるはずです。
そうすることによって、割安に購入できる可能性が生まれます。

割安な物件は市場に出ていることはほぼありません。
数多の不動産業者が目を皿にして新規物件を見ているので、割安なものがあればすぐに売れてしまうのです。だから、「傷んだ物件を見つけて指値を入れましょう」ということです。

自分の好きなようにリノベーションするのは楽しいですよ。
無垢材・珪藻土など材質にこだわったり、間取りにこだわったりもできます。

リノベ物件を買うよりも、新築や築浅の中古を買った方が良い、という意見もあると思います。
それぞれメリット・デメリットがあります。また別ブログで取り上げますね。

仕組みを理解したうえで、自分にとってより良いものを買いましょう。
少しでも参考にしていただけると嬉しいです。

ではまた。